***チョムスキー特集***

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アメリカが本当に「自由」で「民主的」な世界を望んでいると思い込んでいるのは、アメリカ人と日本人くらいかもしれない。
アメリカが自国の経済的利益を最優先させるためにアメリカ以外の国は常に「貢ぎ物」を要求されている。
それに反対する国は「テロ国家」であり「独裁国家」ということになり、アメリカの軍事力の前に屈服させられてきた。特に中南米諸国はアメリカに踏みつけられ続けてきた。彼らにとっては「アメリカが望んでいること」は自明であり「本当に」の言葉は不要だろうが、私たち日本人はアメリカが何をしてきたかを知ることによりアメリカが「本当に」望んでいることを知るべきだろう。


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政府や大企業がメディアをコントロールしようとするのは、どこの国でもあり得ることだろう。しかしメディアの側がしっかりしていれば、権力の介入は押さえられる。
厄介なのは、巨大メディアは大企業そのものであるということだ。それ故にまた権力とも深く強く結びついている。日本やアメリカにおいても公平な報道が期待できない大きな理由がここにある。
また報道する側に「お国のためになる報道を行うことが使命」という思い込みが生じることも否定できない。
北朝鮮による拉致問題は盛んに取り上げられる。その一方で戦前に日本が行った数万人、数十万人におよぶ朝鮮人の強制労働が伝えられることは決してない。「そんなことをしたら、国益に反する」と報道する側が考えてしまうからだろう。チョムスキーの言葉を借りるなら、「よく躾けられている」からだ。


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グローバリズムの経済的な問題点についてはほとんど触れられていない。副題の「プロパガンダと民意」の方が本の内容としては相応しいように思う。
全体を通してインタビュー形式になっていて、チョムスキーの「肉声」が伝わってくるようだ。
活字の量は多めだが、訴えかけるような内容で決して読みにくい本ではない。


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ブッシュが「テロリストの側につくか我々の側につくか」と言ったとき、世界中の多くの人々は嗤ったことだろう。どちらを選択しても結局はアメリカに従うことになる。
国際司法裁判所において、唯一「テロ国家」と断定された国がある。それが他ならぬアメリカだ。アメリカは世界中でテロを行い、またテロ行為を支援してきた。ただしそれを賞賛してきた国家が世界中に少なからずあった、またはあることも事実だ。ビロード革命の立役者チェコのハベルにしてもそうだ。貧しい国の平和主義者たちをアメリカが殺害したことを賞賛してみせる。
海賊がものを奪い取り人を殺せば彼らは処刑台に上がらされることになるかもしれない。でも同じことを帝王がしたら、「勇気ある行動」と賞賛されるわけだ。
なぜそれが許されるのか? かつてのアメリカ国務長官オルブライト(この人もチェコ出身者だ)はこう言ってのけた。
「なぜなら我々はアメリカだからだ!」
この強い態度に酔う人たちもいる。その人が帝王から「テロリスト」と呼ばれない限りは。


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「知の巨人」「世界の知性」などと呼ばれて久しいチョムスキーであるが、氏の冷静さには本当に関心する。俗人の私などはアメリカやイスラエルの暴挙に対して、すぐにカッとなり怒りまくる方だが、怒りだけでは世の中変えることなどできないことを学ばされる思いだ。

「ならず者国家」とはなんだろう。
「判断規準はかなり明瞭です。すなわち「ならず者国家」は単なる犯罪国家ではなく、強国の命令に反抗する国家のことです。もちろん強国は免責されています。」
日本もアメリカに反抗するやいなや、「ならず者国家」ということになる。それが恐くて自民党や外務省はなんでもアメリカの言いなりになるってワケです。


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チョムスキーの入門書としては、格好の教材かもしれない。
「現代書館」の「フォー・ビギナーズ」シリーズは結構面白い。今まで何冊か読んでみたが、専門書には載っていないような人物像を知ることができるので、専門書ばかりを読んでいるような人にもお勧めしたい。
こうゆう本も必要である。


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